金融機関の不動産への貸出残高が増加で、世界の不動産価格は上昇へ

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昨日のテレビ東京の「モーニングサテライト」で、「世界不動産ブームは終わり?」というテーマが放送されていました。

世界の不動産といえば、「中国で不動産バブルが崩壊か?」といった内容はよく見かけますが、現在、世界的にも不動産は高騰しており、その不動産ブームが徐々にクールダウンしてきている兆しが見られるそうです。

確かに、日本の不動産も新築マンションに限っていれば、2014年のGWあたりから、2016年までは高騰していました。

去年、デベロッパーの営業さんが「最近の東京の新築マンションは、経営者か医者か弁護士しか買えないほど高くなっており、サラリーマンではちょっと厳しい」と言っていたのが印象的でした。

しかし、私は先週、新築マンションの内覧に行っていたきたのですが、今年に入ってからは少しクールダウンしている印象を受けました。

デベロッパーも2015〜2016年のような強気な値付けをしにくくなっているようです。

今回は、「モーニングサテライト」で放送されていた内容をまとめてみたいと思います。

金融機関の不動産への貸出残高が増加

金融機関による不動産への融資がここ数年は上昇傾向にあるようです。

2011年の「不動産関連貸出残高」を100とした場合、日本・アメリカ・イギリスの2016年の「不動産関連貸出残高」は以下のようになっています。

  • 日本:115
  • アメリカ:112
  • イギリス:106

日本が一番伸びていますが、日本の場合、銀行が不動産融資に収益を頼っている構造が大きいということです。

日本の金融機関は、全体では貸出が2%ほど伸びているのに対して、不動産関連への貸出は7%以上も増えているそうです。

金融機関が貸出を増やした結果、世界の不動産価格が上昇

金融機関が不動産関連への貸出(融資)を増やせば、当然ですが、不動産価格も上昇します。

「金融機関の貸出の増減」と「不動産価格」は連動します。

なぜなら、不動産は金融機関からすると「金融商品」の1つとして見られる場合もあるからです。

その結果、直近2年の不動産価格上昇率は以下のようになっています。

  • ニュージーランド:26.4%
  • スウェーデン:22.9%
  • カナダ:18.0%
  • 日本(東京のマンション):16.4%
  • イギリス:14.4%
  • アメリカ:11.6%
  • 日本(全体):5.6%

人口が増えず、物価がそれほど上がらない日本では、全体では5.6%の上昇ですが、「東京のマンション」に限定すると16.4%も価格は上昇しています。

2年前に5000万円で購入できた東京のマンションは、現在では5820万円になっているということです。

つまり、日本では東京のマンションだけはデフレ脱却どころか、かなりのインフレになっているということです。

しかし、サラリーマンの給料はそれほど増えていません・・・。

東京のマンション以上に上昇しているのが、ニュージーランド・スウェーデン・カナダですが、価格上昇の原因を調べてみました。

マイナス金利を導入したデンマークやスウェーデンでは、不動産価格が大きく上昇 | ビジネスジャーナル

マイナス金利を導入したデンマークやスウェーデンでは、BISが懸念するとおり、不動産価格が大きく上昇。日本でも昨年は銀行による不動産業向けの新規貸し出しがバブル期を超え、26年ぶりに過去最高となった。

スウェーデンの不動産価格上昇の原因は「マイナス金利」のようです。

日本でも2016年2月からマイナス金利が導入されましたが、それ以降、住宅ローン金利も下がり、不動産向け融資が増加しています。

住宅バブル崩壊に備えるニュージーランド 住宅ローン規制強化:日本経済新聞

買い手は移民や中国勢だ。移民は6月までの1年間に6万9100人と過去最高を記録した。出身国は1位がインドで中国、フィリピン、英国と続く。政府統計によると4~6月に販売された不動産の3%は外国人で、そのうち32%が中国人だった。オークランドでは不動産の5%を外国人が購入し、その55%を中国人が占める。野党・労働党はオークランドの住宅購入者の40%が中国人の姓を持つと指摘している。

 売買を目的別にみると、投資目的が全体の約40%を占める。政府は投機の過熱を抑える狙いから15年10月、2年以内の売却による所得に課税する増税策を導入した。非居住者によるマネーロンダリング(資金洗浄)を阻止するため、不動産売買にあたってはニュージーランドの銀行での口座開設を義務付け、資金の流れを透明化することも打ち出した。

ニュージーランドの不動産価格上昇の1番n原因は中国人の爆買いのようです。

中国人はオーストラリアでも不動産をたくさん買っていて、ここ10年ほどでオーストラリアの不動産価格はすごく上がったと現地在住の友人が言っていたことを思い出しました。

チャイナマネーが自然が豊富で過ごしやすい国に不動産に流れているということは、確かにあるでしょうね。

大気汚染がひどい中国都心からしてみれば、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアの都心は天国に見えるのではないでしょうか?

不動産価格の反転リスク

各国の不動産価格が上昇から下落へ反転するリスクには以下のような要因があるそうです。

イギリス ◎ブレグジット
ブレグジット前から不安視した投資家の売買が激減。一時期よりも3分の1〜4分の1まで取引が減っている。
カナダ ◎外国人の不動産購入特別税
外国人投資が原因で、バンクーバーは世界で1〜2位を争う不動産価格の上昇に。バンクーバーを含むブリティッシュコロンビア州で外国人が不動産を購入する際、購入代金の15%の税金をかけることを2016年8月から実施。
日本 ◎高層マンションの税制見直し
タワーマンションの高層階の固定資産税を上げる。
アメリカ ◎利上げ加速
◎企業の借入金の利息控除がなくなる
控除が減る(=課税所得が増える)ので、企業が借入してまで(レバレッジを効かせて)不動産などに投資しなくなる可能性も。

不動産価値が下落すると消費が低迷することにつながる

価格が上昇している世界の不動産ですが、これが一転、下落すると世界の景気の悪化につながります。

たとえば、アメリカの家計が保有している不動産価値は3000兆円くらいだそうです。

そして、不動産価値の上昇のおかげで、去年1年だけで不動産価格が7%くらい(200兆円弱くらい)上昇しているそうです。

これが資産効果で個人の消費の増加の追い風になっています。

株をやっている人なら分かると思いますが、投資した銘柄の株価が上昇し、含み益が増えたら、心に余裕ができて消費が活発になると思います。

それと同じことが起きているのです。

しかし、上昇していた不動産価格が下落し始めると、この心の余裕がなくなり、消費を控えるようになります。

すると、世界的な景気低迷に陥ります。

世界経済にとって不動産価格が下落するというのは、単なる不動産価格の下落で終わらず、全体的な消費低迷にまでつながる影響があるということです。

もし、一気に大きく不動産価格が下落したら、またリーマン・ショックのような危機が訪れるかもしれません・・・。

ただ、不動産価格が大きく下落した時は、分譲マンションの買い時とも言えるので、住まいサーフィンに登録(無料)して、価格の傾向を常にチェックしておきたいところです。

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