都内新築マンション、契約率が7割を切り始める(2016年7月度)

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不動産経済研究所が昨日(2016年8月16日)発表した「首都圏のマンション市場動向 2016年7月度」に関するデータが日経新聞に掲載されました。

この記事を読むと、都内の新築マンションは以下のような状況になっているようです。

  • 発売戸数は8カ月連続で前年比で減少
  • 契約率は好不調の目安となる7割を2カ月連続で割り込む
  • 高止まりが続いていた販売価格も1戸あたり平均5656万円と前年同月に比べ5%下落
  • 円高や株安で海外の投資家や富裕層が購入していた「億ション」の動きが鈍化

これらをひとことでまとめると、今まで価格が上がり続けていた新築マンションが売れなくなってきているということです。

以下の図は不動産経済研究所の「契約率の推移(首都圏・近畿圏) 2013年7月~2016年7月」です。

契約率の推移(首都圏・近畿圏) 2013年7月~2016年7月

首都圏は紺色のラインで、赤い一直線のラインが契約率70%です。

そして、赤い矢印が契約率70%以下の月です。

これを見ると、2014年は1回、2015年は2回なのに対し、2016年に入ってから7ヶ月中5ヶ月は70%を割っています。

つまり、2016年に入ってから、マンションの契約が減っているということです。

デペロッパーは高く売れる時期にたくさんの新築マンションを供給します。

これは当然です。苦労して仕入れた土地ですから、どうせなら少しでも高く売りたいと考えるのは当たり前だからです。

2013年9月7日にオリンピックが東京で開催されることが決定したことが、新築マンションの価格上昇を後押ししました。

だからこそ2014年〜2016年にかけて、今まで寝かせて持っていた土地にどんどんマンションが建てられたのです。

おそらく、去年の8月にチャイナショックが起こる前くらいが一番高く売れた時期なのではないでしょうか?

基本的に、マンション価格は株価と相関します。株価が上がれば、マンションも上がります。

株を売って、マンションを買う人が増えるからです。

しかし、2015年8月にチャイナショックが起こり、そこからは日経平均が2万円を目指すどころか、15000円を目指すような展開が続いています。

さらに、円高により海外投資家にとって日本は投資対象として旨味が薄れてきています。

それでも、億ションだけは売れ行きが良い時期もあったようですが、それもここにきて縮小しているようです。

今年話題の億ションといえば、東京ミッドタウンのそばに建つ低層階高級マンション「プラウド六本木」がありますが、ここは最低価格が2億円からだそうです。1億円出しても買えない超高級マンションです。

それでも、部屋数が少なく供給が少ないので、完売する勢いで売れているそうです。

「プラウド六本木」のように、立地が希少で、供給が少なく、クオリティも最高給のマンションじゃないと、高値では売れない時期にきているようです。

キャピタルゲイン狙いの売りが増える

さらに、今後は新築マンションを売り出す流れも起こってくるでしょう。

マンションを売却すると、キャピタルゲイン(売却益)を得られますが、当然、これは課税されます。

マンションのキャピタルゲインは5年以上保有なら税率は20%ですが、5年以下なら短期譲渡となり、税率が約40%になります。

なので、多くの投資家は5年以上保有してから売りたがる傾向があります。

しかし、オリンピックまで待てないとなれば、短期譲渡する投資家も増えてくるでしょう。すでに売りに出ている投資家もいるそうです。

株価が2万円を復活するといったニュースがない限り、2017年にはさらに短期譲渡で売りに出る投資家は増えることが予想されます。

すると、東京オリンピックが決定してから投資目的で新築マンションを買った投資家の売りが増え、その物件がこれから建つ新築マンションのライバル物件となります。

当然、供給数が増えるので、競争が激化し、価格が下がっていきます。

オリンピック後の日本は成長要素が見当たらないので、投資家のゴールはオリンピックです。

つまり、オリンピック前はマンションの供給が過剰になる可能性があるということです。

それなら、今のまだまだ高い時期に無理して買う必要はないとも言えます。

供給過剰になって価格競争が激しくなった時に買った方が安く買えるからです。

いずれにせよ、年末にかけての新築マンションの価格と契約数に目が離せません。

参照サイト

不動産経済研究所:首都圏のマンション市場動向 2016年7月度

首都圏「億ション」変調、契約率70%割れ :日本経済新聞(2016/8/16)

億ションしか売れない ひずむ不動産、バブル延命いつまで:日本経済新聞(2016/7/20)

首都圏マンション発売、1~6月期2割減の1.4万戸 24年ぶり低水準:日本経済新聞(2016/7/14)

プラウド六本木(港区六本木四丁目):高級マンションの価格・周辺環境・資産価値

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